アニサキスによる食中毒の症状・原因・対処法について

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2025.08.06

アニサキスによる食中毒の症状・原因・対処法について

アニサキスとは?

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アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種(線虫)で、体長は2~3cm、幅は0.5~1mmほどの白い糸のような見た目をしています。
アニサキス幼虫が寄生している魚介類を、生、または加熱・冷凍が不十分な状態で食べると「アニサキス症」という食中毒を引き起こし、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
アニサキスによる食中毒は、特定の季節に集中するわけではないため、年間を通して注意が必要です。症状が現れたら、自己判断で市販薬を服用したり痛みを我慢したりせず、すぐに医療機関を受診しましょう。

アニサキスの原因

アニサキスは以下のような流れで人の体内に入り、激しい腹痛や嘔吐などの症状を引き起こします。

アニサキスの幼虫が発生してから食中毒を起こすまで

アニサキスの幼虫は、クジラやイルカなどの海洋哺乳類の体内で成虫となり、卵を産みます。この卵が海中で孵化し、オキアミなどの甲殻類に食べられることで成長します。
その後、そのオキアミを食べる魚介類(サバ、イカ、サンマなど)にアニサキス幼虫が寄生し、人がその魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が胃や腸の壁に侵入してしまいます。
アニサキス症を引き起こすと、激しい痛みや吐き気、嘔吐といった症状を引き起こします。
アニサキスは、人の体内では成長できず、数日〜1週間ほどで死滅しますが、生きている間に引き起こす痛みは非常に強く、アレルギー反応を起こすこともあります。

アニサキス症の原因になる魚介類

アニサキスはさまざまな魚介類に寄生する可能性がありますが、報告が多いのは以下の通りです。以下の魚介類を食べる際は、アニサキスがいないか特に注意しましょう。

  • サバ
  • アジ
  • サンマ
  • カツオ
  • イワシ
  • サケ
  • イカ
  • ヒラメ
  • タラ

アニサキスによる食中毒の症状

アニサキスによる食中毒(アニサキス症)の主な症状は、アニサキスが胃や腸の壁に刺さることによって引き起こされる激しい痛みです。症状は、主に以下の2つに分けられます。

急性胃アニサキス症

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生の魚介類を食べてから数時間以内(多くは8時間以内)に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

急性腸アニサキス症

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生の魚介類を食べてから十数時間後〜数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状などが現れます。

その他の症状

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アニサキスが抗原となり、じんましんやアナフィラキシーなどのアレルギー症状を引き起こすこともあります。

アニサキス症の検査方法

アニサキス症の検査方法は、アニサキスが感染した場所によって異なります。

胃アニサキス症の場合

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胃アニサキス症の場合、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が最も確実な診断方法であり、同時に治療法でもあります。胃カメラで胃の内部を直接観察し、胃壁に刺さっているアニサキスを肉眼で確認します。発見次第、その場で内視鏡の先についた鉗子で摘出します。この摘出により、多くの場合、症状は速やかに改善します。

京都市伏見区にある「なかた内科・胃腸内科クリニック」では、胃カメラが苦手な方でも苦痛なく検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使った検査を行っております。検査中は眠ったような状態になるため、気づいたら検査が終わっており、痛みや不快感をほとんど感じずに済みます。
また、嘔吐感が少なく、検査中も会話が可能な経鼻内視鏡も導入しています。患者さん一人ひとりのご希望や体調に合わせて、最適な検査方法をご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。

腸アニサキス症の場合

腸は内視鏡が届きにくいため、胃アニサキス症とは異なる検査が行われます。詳しく問診を行った後、腹部超音波検査やCTを使用して、腸管のむくみや炎症の程度、腸閉塞の有無などを診断します。

その他の検査

血液検査

炎症反応の上昇や、アニサキスに対する抗体の有無を調べることで、アニサキス症の診断を補助することがあります。

アレルギー検査

じんましんなどのアレルギー症状が出ている場合は、アニサキスアレルギーの可能性を調べるために、血液中のアニサキス特異的IgE抗体を測定することがあります。

アニサキスによる食中毒の予防方法

アニサキスによる食中毒(アニサキス症)を予防するためには、アニサキスを「死滅させる」か、「取り除く」ことが重要です。

加熱・冷凍処理

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アニサキスは熱と低温に弱いため、適切な処理をすることで死滅させることができます。

加熱

60℃で1分以上、または70℃以上で十分に加熱することが有効です。

冷凍

-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅します。ただし、家庭用冷凍庫では温度が不安定な場合があるため、注意が必要です。

鮮度管理と目視確認

新鮮な魚を選び、魚を調理する際や食べる際に、身の中に白い糸状のアニサキスがいないか、よく目で見て確認します。見つけた場合は、ピンセットなどで確実に除去しましょう。

おわりに

生の魚介類を安全に楽しむために、アニサキス対策は欠かせません。この寄生虫は、魚が死んだ後に内臓から身へと移動することが多く、特にサバ、イカ、サンマなどに注意が必要です。

もし、生の魚介類を食べた後に、みぞおちや下腹部に激しい痛みを感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。その際は、生魚を食べたことを医師に伝えることが、迅速な診断と治療につながります。

正しい知識と少しの注意で、美味しい魚を安心して味わうことができます。

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