2025.09.10
胃ポリープができやすい人とは?予防法や治療法など徹底解説
胃ポリープとは?
胃ポリープとは、胃の粘膜にできる小さな「いぼ」のような隆起を指します。
多くの場合は良性で自覚症状もなく、健康診断や人間ドックでの胃カメラ検査中に偶然見つかることがほとんどです。種類によっては自然に消えることもありますが、大きくなったり数が増えたりするもの、また前がん病変とされるタイプもあり、その場合は切除や定期的な観察が必要になることもあります。
胃ポリープが見つかったからといってすぐに心配する必要はありませんが、正しく状態を把握し、必要に応じて適切な治療を受けることが大切です。
胃ポリープの種類別:原因・できやすい人の特徴
胃ポリープの原因は、ポリープの種類によって異なります。ポリープには主に「胃底腺ポリープ」と「過形成性ポリープ」、「腺腫(腫瘍性ポリープ)」の3つがあり、それぞれできやすい人の特徴が違います。
過形成性ポリープ
過形成性ポリープは、胃ポリープの中で最も多いタイプで、胃の粘膜が炎症で刺激され、細胞が過剰に増えることでできます。
過形成性ポリープの原因
過形成性ポリープの大きな原因は、ピロリ菌感染による慢性胃炎です。炎症が長く続くことで胃の粘膜が傷み、修復の過程で細胞が過剰に増殖してポリープが形成されます。ピロリ菌を除菌することで、ポリープが小さくなったり自然に消える場合もあります。また、胃潰瘍やピロリ菌除菌後の萎縮性胃炎など、炎症を伴うほかの病気が関与することもあります。
過形成性ポリープができやすい人
以下に当てはまる人は、過形成性ポリープに注意が必要です。
- ピロリ菌に感染している人
- 慢性胃炎を持っている人
- 中高年以降の人(長年の炎症が積み重なるため)
- 胃潰瘍や萎縮性胃炎の既往がある人など
胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープは、胃の上部(胃底部)にある「胃底腺」という部分の粘膜から発生する小さなポリープです。数ミリ程度の小さなものが多く、丸くてつるっとした形をしています。良性のことがほとんどで、がんになるリスクは極めて低いとされています。
胃底腺ポリープの原因
ピロリ菌に感染していない人にできやすく、逆にピロリ菌感染があるとほとんど見られません。また、逆流性食道炎や胃潰瘍で使われるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期間服用すると、胃底腺ポリープが増えることがあります。まれに「家族性大腸腺腫症(FAP)」といった遺伝性疾患に合併して多発することがあります。
胃底腺ポリープができやすい人
- ピロリ菌に感染していない人
- 胃酸を抑える薬(PPI)を長期服用している人
- 比較的若い年代の女性
- 遺伝的な体質を持つ人
腺腫(腫瘍性ポリープ)
腺腫(腫瘍性ポリープ)は胃の粘膜からできる良性の腫瘍(しゅよう)の一種で、「前がん病変」とも呼ばれ、 将来的にがんに変わる可能性があるポリープです。大きさは数ミリから数センチまでさまざまですが、大きくなるほどがん化のリスクが高くなります。
腺腫(腫瘍性ポリープ)の原因
腺腫は、胃の粘膜からできる良性のポリープですが、将来的にがんになる可能性があるため注意が必要です。中高年の方にできやすく、年齢とともに発生することがあります。また、家族性の体質や、慢性的な胃炎や萎縮性胃炎など、胃の粘膜が長く刺激を受けていることも原因となります。早期に発見して適切に切除・経過観察することが大切です。
腺腫(腫瘍性ポリープ)ができやすい人
- 中高年の方
- 家族性の体質を持つ方
- 慢性胃炎や萎縮性胃炎のある方
- 過去に胃のポリープや腺腫を経験した方
胃ポリープの自覚症状
胃ポリープは、多くの場合自覚症状がなく、健康診断や胃カメラ検査で偶然見つかることがほとんどです。
しかし、ポリープが大きくなったり数が多くなると、胃の不快感や膨満感、軽い胃もたれや吐き気を感じることがあります。まれに胃の痛みを伴う場合もあります。また、ポリープが出血すると、便の色が黒くなる「タール便」や貧血の原因になることもあります。
症状が出ない場合でも、ポリープの種類や大きさによっては経過観察や治療が必要になることがあるため、定期的に胃カメラで状態を確認することが安心です。
胃ポリープの治療・対応
小さくて良性の場合
小さくて良性の胃ポリープは、ほとんどの場合症状がなく、そのまま経過して問題ないことが多いです。そのため、無理に切除する必要はありません。
ただし、安心のために定期的に胃カメラで大きさや形の変化を確認することが推奨されます。過形成性ポリープの場合は、ピロリ菌の除菌で小さくなったり消えることもあります。また、胃酸を抑える薬を服用している場合は、医師と相談して調整することもあります。
大きい・増えてきた・腺腫タイプ
胃ポリープが大きくなったり数が増えてきた場合、また腺腫と呼ばれる前がん病変のポリープは、切除が必要になることがあります。
切除は胃カメラを使って行い、取り出したポリープは病理検査で良性か悪性かを確認します。切除することで将来的ながん化のリスクを減らすことができます。切除後も再発や新しいポリープの発生を確認するため、定期的に胃カメラで観察することが大切です。
また、過形成性ポリープの場合はピロリ菌の除菌で小さくなったり再発を防げることがあります。胃酸を抑える薬の影響がある場合は、医師と相談して調整することもあります。安心して治療と経過観察を受けることが重要です。
胃ポリープの予防方法
バランスの良い食生活(野菜や果物を意識して摂る)
胃ポリープを予防するには、野菜や果物を中心にしたバランスの良い食生活が大切です。緑黄色野菜や果物には胃の粘膜を守る成分が含まれており、毎日の食事で意識して摂ることが望ましいです。また、塩分や脂っこい食事、刺激の強い食べ物やアルコールは控えめにし、規則正しい時間に食事をとることも胃を健康に保つポイントです。水分をしっかりとることも大切です。
過度の飲酒や喫煙を避ける
胃ポリープや胃の健康を守るためには、過度の飲酒や喫煙を避けることが大切です。アルコールは胃の粘膜を刺激して炎症や出血を引き起こすことがあり、長期間の多量飲酒はポリープのリスクを高めます。タバコの成分も胃の血流を悪くし、粘膜の修復力を低下させます。そのため、飲酒は控えめにし、禁煙を心がけることで、胃を健康に保ち、ポリープや将来の病気の予防につながります。
定期的な胃カメラ検査を受ける
胃ポリープは多くの場合、自覚症状がほとんどないため、自分で気づくことは難しいです。そのため、定期的に胃カメラ検査を受けることが大切です。胃カメラによって小さなポリープや形の変化を早期に発見でき、過形成性ポリープや腺腫など切除や経過観察が必要なものも見つけられます。安全に胃の状態を確認できる検査なので、安心して胃ポリープの管理や予防に役立てることができます。
まとめ
胃ポリープは多くの場合症状がなく、知らないうちにできることがあります。予防のためには、野菜や果物を中心としたバランスの良い食事、塩分や脂っこい食事の控えめ、規則正しい生活、そして過度の飲酒や喫煙を避けることが大切です。
また、定期的な胃カメラ検査で早期に発見・管理することも安心につながります。京都市伏見区のなかた内科・胃腸内科クリニックでは鎮痛剤を使用し、苦しさや痛みを軽減した内視鏡検査(胃カメラ)を提供しています。内視鏡検査(胃カメラ)に対して不安をお持ちの方にも安心して受けていただけるよう取り組んでおりますので是非ご相談ください。
日々の生活習慣と検査の両方を意識して、胃の健康を守りましょう。
【この記事の監修】
なかた内科・胃腸内科クリニック院長 中田智之
- 資格
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- 日本内科学会 認定内科医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
- 日本消化管学会 胃腸科認定医
- 日本ACLS協会 ACLSプロバイダー
- 日本抗加齢医学会 日本抗加齢医学専門医
- 医学博士(甲 大阪医科薬科大学)
- 日本消化管学会 便通マネージメントドクター
- 緩和ケア研修会修了
- 専門分野
-
- 消化器内科疾患


